現在、学習塾の講師として英検(実用英語技能検定)受験のサポートもしています。そのリスニングテスト対策として、塾生にリスニング過去問の演習をしてもらった後にテスト原稿に記載された英文について詳しい解説をしています。
本来、「英語は耳から」と言われているようにネイティブが話す英語を何度も聞いて身に付けることが大事ですが、やはり日本人の学習パターンとして、難しい英文については文構造や文法を理解していった方がスムーズに進められるようです。今回、英検受験のサポートを通して感じたことや合格を目指す人に伝えたいことを書きました。
1.準一級リスニングテストに関して
英検2級に比べて英検準一級はかなりレベルが高くなります。その中でもリスニングテストPart2が特に難しいと言われています。これは、(A)から(F)までの6つの英文について、それぞれリスニング後2つの質問に対する適切な答えを選ぶという形式ですが、その英文が大変難しくなっています。まず英語の聞き取りが前提ですが、これらの英文にはいずれもハイレベルな英語表現が用いられており、その内容が分からなければ正解が得られません。そこで、このリスニングテスト対策として、各文構造を理解すべく語彙(単語や熟語)を増やし、文法の知識をしっかりとしたものにしていく必要があります。
このように準一級リスニングテストにおける英文では難しい英語表現がされていますが、一方で、6つの各英文の内容は大変面白いものとなっています。それぞれ、社会活動・制度、地理・歴史、科学技術、動物・植物、仕事、健康、偉人伝、社会問題など、各種興味深いテーマについてある程度詳しく述べられており、読み物として楽しみつつ教養を高めるのに役立ちます。
2.面白さ
今回、英検準一級過去問として、2024年度第1回検定試験リスニングテストPart2の2つの英文:(A)Locust Swarms、(C)Astronaut Efficiencyについて説明します。(A)では動物や社会問題、(C)では科学技術がテーマとなっています。
(A)はイナゴに関するもので、イナゴの群れが大量の農作物を食い荒らしますが、殺虫剤の効果はあまりないとのことです。他方でイナゴには共食いする習性があり、対策としてこれを利用することが試されています。
イナゴは、他のイナゴに食べられないようにある臭いがする化学物質を出します。ここで実験として、DNA操作でこの臭いが分からないようにされたイナゴは他のイナゴを食べてしまうことが多くなります。同様に、この化学物質を出さないようにされたイナゴは他のイナゴに食べられてしまうことが多くなります。
この方法を発展させて、農作物を食い荒らすイナゴを減らすことが期待されていますが、大食いのイナゴ達が自分達自身の首をしめることになってしまう、という点がなかなか面白いところです。

(C)は宇宙飛行士に関するものです。火星に基地を築くことが人類の近未来的目標となり得ますが、持続可能な生息地(基地)を作るために要求される技術的革新とは別に、宇宙船による長期の飛行自体にも重要な課題があります。多くの機材が必要とされますが、例えば、宇宙に1kgの物を打ち上げて運ぶのに何万ドルもの費用がかかります。ここでは、宇宙飛行の効率を上げるための研究について述べられています。
試算結果によると、乗組員を全て女性にすることで効率が大いに良くなるとのことです。女性は平均的に男性より体が小さいので食料が少なくて済み、例えば、1,080日の任務では158百万ドルの節約になります。さらに、水や酸素の消費が少なく二酸化炭素の排出が小さくなるというメリットがあります。
宇宙飛行の費用については時々話題になりますが、乗組員の体の大きさに着目した点が面白いところです。

3.難しい表現
(A)における単語では、locust:イナゴ、swarm:群れ、pesticide:殺虫剤、exploit:利用する、emit:放出する、chemical:化学物質などが少し難しいかと思います。また熟語として、“be likely to ~”:「~することが多くなる」という表現は、英検2級レベルではあまり用いられていないようですが、準一級では頻出です。“likelihood of ~”:「~の可能性」も同様です。
(C)における単語では、Mars:火星、sustainable:持続可能な、habitat:生息地、oxygen:酸素などが少し難しいかと思いますが知っておくべきです。“carbon dioxide”:「二酸化炭素」も同様です。二酸化炭素についてはCO2も用いられます。環境関連語は重要で、“greenhouse gas”:「温室効果ガス」なども頻出です。
それから、2024年度第1回試験では関連語として、consume:食べる・消費する、consumption:浪費、time-consuming:時間浪費的などが何度か用いられていました。
4.まとめ
リスニングの難しい英文については、聞き取りと文構造や文法の理解を合わせて進める必要があります。英検の準一級リスニングテストにおける英文では、難しい英語表現がされている一方で、各英文の内容は大変面白いものとなっています。今回、その一部についての内容説明も書きました。